2026.06.18
革製品で発生する「縫製ほつれ」
革製品を長く使っていると、縫製の糸が切れたり、擦れて摩耗したりすることで、ほつれが生じることがあります。
今回ご依頼いただいたショルダーバッグも、長年のご愛用により、ショルダーベルトの付け根部分の糸がほつれていました。
バッグは床との接触が多い角部分や、持ち手、ショルダーベルト付け根など、力が集中する箇所に負担がかかりやすく、ほつれが発生することがあります。
ご依頼製品
不具合箇所(表)
不具合箇所(裏)
ミシンだけでは難しい箇所
今回ほつれが発生していたのは、ショルダーベルトの付け根部分。
日常的に大きな負担がかかる箇所であり、複数の厚い革が重なっているため、既存の針穴を正確に拾いながら縫い直す必要がありました。
そのため職人は、縫えるところまでミシンを使い、その先は糸を長く残して手縫いへ切り替える方法を選択しました。
見た目を整えるためだけではなく、修理後も安心して使い続けていただける強度を確保するための判断です。
ミシン縫い
手縫い
必要であれば道具もつくる
修理では、製品ごとに状態も構造も異なります。
既存の工具では作業が難しい場合、職人自らが道具を加工し、その修理方法に合わせた工具を作ることもあります。
今回のケースではさまざまなサイズのキリが差し込める持ち手に針を加工して取り付け、縫製作業を行いました。
加工した工具
製品に傷を付けないよう、ハンマーの角をヤスリで削り丸めたり、革を当てたりと、作業に合わせて道具にも手を加えて使います。
仕上がり箇所
修理箇所を目立たせないこと。
そして、これから先も安心して使える状態にすること。
そのために最適な方法を考え、必要であれば道具づくりを行う。
そうした積み重ねが、TSUCHIYA KABANの修理職人が一つひとつの製品に向き合う姿勢です。
製品に不具合が生じた際には、どうぞお気軽にご相談ください。
大切な製品を永くご愛用いただけるよう、心を込めて対応いたします。
WEBサイトでは、修理にかかる金額(税込)を製品とあわせて掲載しています。
表示の金額は参考価格となりますので、製品や状態により変動する場合がございます。目安としてご覧ください。
今回ご紹介した手縫いの様子はInstagramでもご覧いただけます。

